ロット・ソウダルのロットは宝くじ公社だが、ソウダルは何の会社だろうか?

ワールドチームのスポンサー企業を調べるシリーズを始めたいと思います!

サイクルロードレース中継で、何度も何度も耳にする名前にもかかわらず、実態がよく分かっていない企業や組織名が多いかと思われます。

今回は、ベルギーの歴史的なチームであるロット・ソウダル(Lotto Soudal)について特集します。

ロット・ソウダルの成り立ち

前身となるチームを遡っていくと、1985年に『Lotto』というチームが歴史の始まりのようです。

以来、常に『Lotto』の名を冠して、現在のロット・ソウダルに至ります。

まず、『Lotto』は1934年に設立されたベルギーの宝くじ公社の名前で、国営企業のようなものです。日本で言えば、「ジャンボ宝くじ」や「ロト6」などの宝くじを管理している『日本宝くじ協会』のようなものでしょう。『Lotto』での宝くじの売上の大半は、社会貢献に活用されているようです。

自転車王国であるベルギーにとっては、自転車の普及・促進も重要なミッションであると思われます。

だからこそ、長年にわたってベルギーのプロサイクリングチームを支援してきた歴史があるのでしょう。

ソウダル社とはどんな会社か?

一言で表現すると、シリコンや接着剤を製造するベルギーの化学メーカーです。

1966年に現会長であるヴィック・スワーツによって、溶接材料や自動車の修理用ポリエステルパテを製造する会社として、ベルギー・アントワープで創業されました。『ソウダル(SOUDAL)』という社名は、ベルギーでの公用語であるオランダ語で『全てを修理する』を意味する『Soudeert ALLES』に由来します。

1969年に同社初のカートリッジタイプのシリコンシーラント剤を発売し、以後順調に会社は成長して行きます。1990年に発売された『Silirub 2』は、同社を代表する商品として今もなお売れ続けています。

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↑シリコンシーラント剤の使いみちの一例

1992年には、同業メーカーであるフランスのアイルトン社を買収し、この頃から徐々に輸出に力を入れ、グローバル展開路線へと進み始めます。

1996年に、ポーランドに国外初の支社を設立したことを契機に、1997年にはドイツ・レバークーゼン、1999年には上海に営業所を開き、世界中に展開して行きます。

2000年代は、企業買収を繰り返して会社の力を高めていき、2010年にはインドに進出し、バワルに工場を建設し、中国でも生産拠点をつくりました。

近年はベルギー国外での生産拠点と営業ラインの確保に注力し、2016年現在14の製造拠点と44カ国での製品販売を行っている大企業となりました。

ソウダルグループ連結の従業員数は2370人(2015年12月時点)、売上高は6億3000万ユーロ(約700億円)という会社です。

残念ながら、日本には営業所をつくっておらず、基本的にソウダル製品は日本国内には流通していないようです。

ちなみに、ソウダル社の製品はAmazonには、多少在庫があるようです。

いないとは思いますが、ソウダル社の製品がどうしても欲しい場合は、こちらの海外通販のサイトの方が、品揃えが良さそうです。

業績が順調そうなソウダル社にサポートされたロット・ソウダルの今後

21世紀に入ってから、急速に事業拡大をしている印象を受けましたが、シリコンシーラント剤やコーキング剤の使いみちを考えると、BRICS諸国でシェアを伸ばしたことも納得出来るなと思いました。

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このような建物や道路の建造に必須な製品であるため、今後も世界各国で需要はあり続けることでしょう。

世界的に需要がある製品の製造・販売を行うソウダル社としては、日本市場を狙っていきたいと考えているのではないかと思います。

なぜなら、2016年のサイクルモードに、ロット・ソウダル所属のアダム・ハンセンが来日して、トークショーやサイン会を行います。

これまで、来日したことがなかった(はず?)ロット・ソウダルが、個人とはいえ所属選手を日本に派遣することも珍しいなと感じていました。その理由が、今後は日本への市場拡大を狙っていて、アダム・ハンセンの来日に対して日本人がどう反応するか調査の一環なのではないかと推測しています。単純に人気のあるアダム・ハンセンをサイクルモード主催者がオファーしただけで、ソウダル社の意向が働いているという予測は邪推な気もしますけどね…。

というわけで、ソウダル社はシリコンシーラント剤などの化学メーカーで、世界展開しているベルギーの大企業でした!

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