ブライアン・コカールが49勝目にして初のワールドツアー勝利!

 ツアー・ダウンアンダー第3ステージで、ブライアン・コカールが集団スプリントを制してUCIワールドツアー初勝利を飾った。この勝利がコカールにとってプロ通算49勝目であり、それまでの48勝はすべてプロシリーズ(HC)以下のカテゴリーでの勝利だったというわけだ。

 ワールドツアー初勝利まで49勝かかった選手はそうはいないはずと思い、現役選手の通算勝利数ランキングをもとに調査を実施。データはProCyclingStatsの「Active riders victory ranking」から引用している。以下に表形式で現役通算勝利数ランキング上位50名のワールドツアー初勝利が何勝目だったのか記載した。

 コカール以外に通算勝利数ランキング上位の選手で、ワールドツアー未勝利の選手を1人発見した。それは誰だろうか?

選手名UWT初勝利通算勝利数備考
マーク・カヴェンディッシュ5勝目161勝
ペテル・サガン1勝目121勝
アルノー・デマール6勝目91勝
エリア・ヴィヴィアーニ11勝目87勝
アレクサンドル・クリストフ9勝目86勝
エドゥアルド・ボアッソンハーゲン12勝目81勝
ナセル・ブアニ10勝目70勝
プリモシュ・ログリッチ7勝目65勝
ディラン・フルーネウェーヘン12勝目63勝
カレブ・ユアン11勝目59勝
サム・ベネット13勝目59勝
ナイロ・キンタナ3勝目51勝
フェルナンド・ガビリア7勝目49勝
ブライアン・コカール49勝目49勝
ジョン・デゲンコルプ5勝目48勝
ルイスレオン・サンチェス6勝目47勝
ヤクブ・マレツコ未勝利47勝UWT未勝利
タデイ・ポガチャル3勝目46勝
クリス・フルーム1勝目46勝
ディエゴ・ウリッシ2勝目44勝
グレッグ・ファンアーヴェルマート17勝目41勝
マチュー・ファンデルプール14勝目40勝
マイケル・マシューズ3勝目39勝
ジュリアン・アラフィリップ5勝目39勝
ワウト・ファンアールト8勝目39勝
ファビオ・ヤコブセン4勝目38勝
パスカル・アッカーマン1勝目38勝
レムコ・エヴェネプール4勝目37勝
ティム・ウェレンス1勝目34勝9勝目までUWTで連続勝利
ティボー・ピノ5勝目33勝
ローハン・デニス4勝目32勝
サイモン・イェーツ3勝目31勝
アレクセイ・ルツェンコ3勝目31勝
ダリル・インピー6勝目30勝
ミハウ・クフィアトコフスキ8勝目29勝
マッテオ・トレンティン1勝目29勝
ジャコモ・ニッツォーロ4勝目29勝
ルイ・コスタ4勝目27勝
マッズ・ピーダスン13勝目27勝UWT勝利前に世界選優勝
ヤコブ・フルサン13勝目27勝
クリストフ・ラポルト22勝目26勝
ボブ・ユンゲルス13勝目25勝
シュテファン・キュング2勝目25勝
ゲラント・トーマス3勝目24勝
ティム・メルリール9勝目23勝
ジャスパー・フィリプセン2勝目23勝
マグナス・コルト6勝目23勝
ハインリッヒ・ハウスラー1勝目22勝
ミゲルアンヘル・ロペス4勝目22勝
フィリッポ・ガンナ3勝目22勝
上記データは2023.01.21時点のもの

 ヤクブ・マレツコが通算47勝をあげるも、ワールドツアー未勝利だ。マレツコはキャリア47勝のうち31勝が中国のレースでの勝利であり、ヨーロッパでは6勝のみ(トルコを含めると9勝)と、得意レースがアジア圏に偏った選手である。

 近年引退した選手では、サーシャ・モードロが通算47勝ながら、ワールドツアー初勝利まで31勝かかっていた。コカール、マレツコ、モードロは共にスプリンターであり、絶妙にワールドツアーで勝てる力はなく、下位カテゴリーのレースで無双するタイプの選手だったためだといえよう。

 コカールのワールドツアー初勝利まで49勝の記録は、ワールドツアー(プロツアー)が確立した21世紀以降では、恐らく最多の記録ではないかと思う。ある意味では金字塔であるが、現在47勝のマレツコがコカールの記録を更新できるか注目したい。

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