カチューシャ・アルペシン出場選手一覧&レビュー【ツール・ド・フランス2017】

※選手の脚質、役割、レビューを書いています。

エーススプリンターのアレクサンダー・クリストフ擁するカチューシャ・アルペシン
ドイツで開幕する今年のツールでは、初日の個人TTを世界チャンピオンのトニ・マルティンが狙う。

カチューシャ・アルペシン、ツール出場メンバー

121,トニ・マルティン(ドイツ、[get_age birth=”19850423″]歳)

逃げ:★★★★★
TT力:★★★★★
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★☆☆

昨年は4度目のTT世界チャンピオンに輝いた。
今シーズンは、2月のボルタ・ア・バレンシアナ第2ステージで独走勝利を収めたことは見事だったが、アルカンシェルを着て走るタイムトライアルでは、未だに一勝も出来ていない。

これも”アルカンシェルの呪い”が原因なのだろうか。
それとも、クイックステップからカチューシャに移籍してきて、キャニオンのバイクに変わったことも影響しているのかもしれない。

それでも、デュッセルドルフでの第1ステージは、ほぼ平坦路のみの14kmコースだ。
マルティンが有利であることは間違いない。

不調を乗り越え、晴れのツールの舞台でマイヨジョーヌを着る姿を期待したい。

122,マルコ・ハラー(オーストリア、[get_age birth=”19910401″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★★☆

2015年にはオーストリア国内チャンピオンに輝いている。
ツールには3回目の出場となり、グランツールの出場も通算3回目だ。

カチューシャトレインの機関部を担い、残り数キロ地点までエースの安全を確保することが主な仕事となるだろう。

123,レト・ホレンシュタイン(スイス、[get_age birth=”19850822″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★★★☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★☆☆☆

解散したIAMサイクリングから移籍してきたスイス人。
カチューシャもロシア国籍から、スイス国籍に変わったとはいえ、チームのスイス人はホレンシュタイン1人だ。

脚質は、2016年世界選手権個人TT9位の実績を持つ、TTスペシャリストだ。
身長197cmの体格を活かして、平坦アシストとしてルーラーの仕事を担うだろう。

124,ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、[get_age birth=”19860809″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★☆☆☆

今シーズン、解散したティンコフからカチューシャへと移籍してきたクライマーだ。
昨年のツールには、アルベルト・コンタドールのアシストとして出場した。

今年のジロ・デ・イタリアには、カチューシャのエースであるイルヌール・ザッカリンの山岳アシストとして出場し、第20ステージでは強烈な牽引を見せていた。

今大会ではチームの総合エースはいないため、キセロフスキーはステージ優勝を狙いつつ、総合トップ20あたりを狙って走るのではないかと思われる。

125,アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、[get_age birth=”19870705″]歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★★★

スプリンターカルテットの一人であるクリストフだが、近年のツールでの活躍ぶりは物足りない。
2014年にステージ2勝をあげたものの、2015・2016年と未勝利に終わっている。

今シーズンは、ここまで6勝をあげており、決して勝っていないわけではないが、やはりどうにも物足りない印象を受けている。
ツアー・オブ・カリフォルニア、クリテリウム・デュ・ドーフィネでは、先頭でもがく姿が見られず、10位前後に沈むケースが目立っている。

ちなみに、2014年はツールまでに9勝、2015年はツールまでに11勝、2016年はツールまでに8勝をあげていた。
今年は近年で最も勝ててない年であることは否定できない。

10月には母国ノルウェーで世界選手権が開催され、クリストフの脚質に合ったコースレイアウトになっている。
ゆえに、10月にピークを持っていきたいために、今は力を溜めているのかもしれない。

ツールでの活躍は難しいのだろうか。
心配が杞憂に終わることを祈るばかりだ。

126,マウリッツ・ラメルティンク(オランダ、[get_age birth=”19900831″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

今シーズン、ルームポットから移籍してきた、脚質はパンチャーの選手だ。
ツールへの出場は初めてで、グランツールへの出場自体が2013年ジロ以来、久々となる。

今シーズン目標としていたアムステルゴールドレースでは、26位と振るわなかったが、5月のベルギーツアー第4ステージで移籍後初勝利を飾った。

ツールでの目標はステージ優勝一本だ。
ワールドツアー&グランツール初勝利を目指す。

127,ティアゴ・マシャド(ポルトガル、[get_age birth=”19851018″]歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★☆☆☆

グランツールの出場は通算9回目となり、ツールは2年ぶりの出場だ。
総合成績では、2011年ジロ総合19位が自己最高順位となっており、近年はアタッカーとして走る機会が多くなっている。

だが、通算の勝利数はたったの2勝。
それも1クラスでの勝利のみで、HCクラス以上のカテゴリーでは勝ったことがない。

エース格として出場する機会が多いが、今のところは期待に応えられていない。
逃げに乗るうまさはあるし、登坂力も備わっているはず。
こんなもんじゃないと、本人が一番強く思っているだろうが、見ているファンも同じ想いだろう。

果敢なアタックを通じて、逃げ切りを決めて欲しい。

128,ニルス・ポーリット(ドイツ、[get_age birth=”19940306″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★★★☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★☆☆☆

グランツール初出場となる、若きドイツのTTスペシャリストだ。

2015年からカチューシャの一員として走っており、ステージレースだけでなく春のクラシックレースに多く出場している。
しっかりと仕事をこなしつつ、完走率も高くなっており、既にトップカテゴリーのスピードに対応できていることがうかがい知れる。

今大会での役割は、クリストフ護衛のための平坦路の牽引役だろう。

129,リック・ツァベル(ドイツ、[get_age birth=”19931207″]歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★★☆

マイヨヴェール6連覇という大記録を持つエリック・ツァベルの息子だ。
エリック・ツァベルがツールの表彰台で息子のリックを抱えていた姿が印象に残っている往年のファンも多いだろう。

あの小さな子どもが成長し、とうとう父が活躍していたツールの舞台に登場する。
今シーズンは、BMCレーシングからカチューシャに移籍してきて、主にクリストフの発射台としてレースに出場している。

特に5月のエシュボルン・フランクフルトでは、クリストフとワンツーフィニッシュを果たした。
また、ツアー・オブ・カリフォルニア第3ステージでは2位に入り、クリストフ以上の成績も残している。

あのツァベルの息子という名に恥じない、大器の片鱗ぶりを見せているのだ。

父を超えろとは言わない。
だが、まずは自分の殻を打ち破るような猛烈なスピードを見せて欲しい。
たとえ、エースが勝てなくとも、リックのリードアウトだけは目に焼き付けようではないか。

クリストフのためのチームではあるが、エースの調子やいかに

クリストフのためのトレインには、ルーラーのマルティン、ホレンシュタイン、ポーリットに加えて、スプリンターのハラー、ツァベルがリードアウトを務めることになるだろう。

マシャド、キセロフスキー、ラメルティンクはそれぞれ得意なコースでステージ優勝を狙ってくる動きをすると思われる。

是が非でも、ステージ優勝をあげたいところではあるが、肝心のエースの調子が今ひとつ。
かと言って、アタッカーチームもステージ優勝をあげるとなると、様々な要因が絡み合う必要があるように思える。

率直な感想は、今年のツールは厳しそうだなと思った。
リック・ツァベルのスピードにはぜひとも注目したいのだが。

2 COMMENTS

いちごう

リック・ザベル、気になりますね〜。

現役時代の親父さんの強さを観てた層としては、ブカブカなマイヨ・ヴェールを着てパパに肩車されたり抱っこされてたおチビちゃんが、このツールという大舞台に選手として立つのは感慨深いものがあります。

親子二代、あるいは三代に渡りロード選手になるという例は結構多いようですが、一方で有名選手の二世が活躍した例は自分が知る限りあまり多くありません。

例えば1997年ツール第5ステージで優勝しマイヨジョーヌを獲得、第9ステージまでキープし続けたセドリック・ヴァスール。
これをきっかけに逃げ屋としてレース中のテレビ露出が増えていきましたが当時ほぼ無名のアシスト選手がマイヨジョーヌを着るというサプライズでした。
そして2007年のツール第10ステージでも優勝。引退を決めた年に10年越しのステージ2勝目というのはなかなかドラマティックでした。
ツールのステージ1勝という記録を持っている父、アレン・ヴァスールを大きく超えたと言って良いでしょう。

そして、自分が個人的に好きだったアクセル・メルクス。

偉大過ぎる父親に反発しサッカー選手を志ざすも、17歳で自転車競技に戻り「史上最強選手の息子」として脚光を浴び続けるプレッシャーの中、1998年のツールで総合10位。
2000年はベルギーチャンピオンとなり同年のジロではステージ優勝を果たし、レースキャリアの大半をアシストとして走る中でも充分一流選手と言える成績を残しております。それでも父親と比べられて「物足りない」と批判を受けていたようですが、それは気の毒としか言いようがありません。

彼のレース運びは「男前」。
逃げに乗り、アタック合戦に生き残り少人数でゴール前まで来ても駆け引きなど一切なし。
190センチを越える大柄な体躯を目一杯使って最後の最後までゴリゴリ先頭を牽き続け、それでスプリントに敗れてハンドルを叩いて悔しがり、それでもまた別のレースでも前を牽き続ける。
「父エディメルクスはそれでも勝っていた。それで勝てないのは自分が弱いから。」とでも言ってるかのようで、父と同じ戦い方を続けることがかつて反発した父への尊敬の証しだったのかも知れません。

さてリック・ザベルですが、19歳にしてU23ドイツ選手権優勝。
それからもU23ロンド・ヴァン・フラーデレンで勝ち、ノルマンディでも区間優勝。
2014年にBMCでプロツアーデビューしてからは流石にエースを任される訳ではないため1勝止まりですが、まだまだ伸び代のある23歳。どんどん強くなっていってもらいたいところです。

174センチ68kgというスプリンターとしては小柄なプロフィール。チームからは、大集団で勝ちを狙うピュアスプリンターというよりはクラシックで活躍できる選手として期待されてるようなので、登れるスプリンター或いはスプリントに強いパンチャーという形になっていくのかもしれません。そうなるとクリストフが良い先生になりそうです。

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サイバナ管理人

いちごうさん

> 「父エディメルクスはそれでも勝っていた。それで勝てないのは自分が弱いから。」とでも言ってるかのようで、父と同じ戦い方を続けることがかつて反発した父への尊敬の証しだったのかも知れません。

この下りはカッコいいですね。
アクセルの強い意思を感じました。
今は、アクセオンのGMを務め、未来のメルクスを育成することに情熱を注いでいるのでしょうか。
このような背景を知った上で、アクセオンのレースを見るとまた違った見方が出来そうです。

> 174センチ68kgというスプリンターとしては小柄なプロフィール。チームからは、大集団で勝ちを狙うピュアスプリンターというよりはクラシックで活躍できる選手として期待

意外と小柄なんですよね。
ピュアスプリンターにこだわることなく、とにかく勝てる選手になることがファンも嬉しいことでしょうし、お父さんも喜ぶと思います。
まずは、ツールの舞台で大暴れしてほしいですね!

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